皆さん、こんにちは。埼玉県越谷市のフットマスター「流カイロプラクティック院」の流 岳史(ながれ たけし)です。
日によって気温差はあるものの、徐々に気温が上がってきて春らしくなってきましたね。良い気候なので、普段、私がウォーキングやジョギングで出かける桜並木のある土手も人手が増えてきました。この時期は気候が良いので、身体を動かしたくなる季節ですね。日頃、接しているクライアントさんとの話でも、よく「何を始めた方が良い?」と聞かれます。
「やはり簡単で続けやすいのはウォーキングでしょう。」と答えると、「やみくもに始めてもかえって足腰を痛めそうな気がして……」とたまに返ってきます。確かに身体の構造の利にかなったウォーキングフォームのことを考えずに「毎日1万歩、腕を大きく振って、親指で地面を蹴って、大股で早歩き!」なんて歩き方をしたら、かえって腰痛や膝痛の原因になりかねません。
過去にもウォーキングフォームについては何度か寄稿してきましたが、今回はウォーキングを始めたいけど、歩き過ぎてかえって身体を壊すのでは?と心配している方に、おうちで簡単にできるウォーキング前の姿勢のセルフチェックをお伝えします。
横から見た姿勢チェックの方法
まずは横からの姿勢をチェックしていきます(説明写真あり)。
壁に背中をつけてまっすぐに立ってみましょう。「そんなの簡単」と思っていませんか?正しい姿勢はできていると思っていて、意外とできないものです。若い時は多少、部分的にバランスが崩れても筋力でカバーできますが、年齢とともに筋肉が落ちて姿勢が崩れてきます。それなので日々、姿勢をチェックして、戻すべき本当の姿勢を身体に覚えこませることが大切です。
まずはかかと・お尻・肩甲骨・後頭部を壁につけてみて下さい。ムリなく立つことができますか?もし後頭部がつかない人は、顎が上がってもいいのでできるだけ体を起こすようにしましょう。腰など痛みが出る人はやりすぎないように注意して下さい。
だいたいの位置が整ったら、最後に腰と壁の隙間を埋めていきます。腰は背骨が前弯しているので、隙間が空くものですが、空きすぎもよくありません。腰に両手を回して指がつくくらいの隙間があったら要注意です。壁との隙間を埋める際は、大きく深呼吸をします。大きく吸って吐きながらおへそを引っ込めるように腹筋に力を入れていきます。この時に使われる腹筋は骨盤の位置を正しいポジションに維持するのに必要なインナーマッスルです。お腹を引っ込めていくについれて腰と壁の間の空間が狭くなっていけばきちんとインナーマッスルを使えています。
「大きく吸って、全ての空気を吐きながらお腹をへこます」をゆっくり5回やった後に、腹筋に力をいれたまま通常の呼吸に戻して1分間くらい維持しましょう。こうすることで正しい姿勢を維持する腹筋が強化されて、無意識でもこの姿勢を維持できるようになってきます。また、この時に頭・背骨・骨盤・ひざなどの各部位の配置や目線をよく感じて体に覚えこませましょう。
「気付くと姿勢が悪くなっている」とみなさん気にされますが、それは体の構造上しかたのないことです。このように姿勢チェックをして覚えた感覚を、日々、気付いたときに立ち方・歩き方に実践することで、キレイな姿勢が維持できるようになります。
前から見た姿勢チェック
次に前から見た姿勢チェックです(説明写真あり)。
横から見た姿勢チェックの姿勢を維持しながら、つま先の向いている方向を確認してみましょう。つま先はどこを向いていますか?かかとの先端から中指と薬指の間をつないだ線が、真正面を向く状態が一番足首に無理がかからないと言われています。身体のゆがみがあったり、土踏まずのアーチが崩れているとなかなか難しいですが、できる限りつま先が真正面を向くようにしましょう。
私たちは「気を付け」の姿勢を学校で教わるので、どうしてもつま先は45度に開くのが正しいと思ってしまいがちですが、身体の構造的には良くない姿勢です。この姿勢のクセがついてしまうと、親指は使いやすいかもしれませんが、ガニ股になって土踏まずのアーチを潰すように歩いてしまうので、O脚・X脚の原因になり、腰痛・ひざの痛みや骨盤のゆがみが生じる可能性があります。
さて、つま先の向きを直すと、両ひざの間隔が開きませんか?そのような人は、股関節・ひざのゆがみにも注意が必要です。お尻の底の筋肉を使って太もも全体をねじるようにして、膝の骨が正面に向くようにしてから、最後に内もも同士を近づけるように足に力を入れます。
このように股関節・ひざ・つま先の向きを整えたら、先ほどの横から見たチェックで行ったように、深呼吸とともにおへそを引く腹筋運動を5回行い1分間静止します。これを行うことで、足をまっすぐに使えるように筋肉バランスが整ってきます。そして股関節・ひざ・つま先が正しく並んでいる感覚を身体が覚えて、普段の立ったり歩いたりする動作に応用することで、正しい姿勢を無意識に保つことができるようになります。
横からのチェックに比べて、こちらは少し難易度が高いかもしれませんが、頑張って続けてみて下さい。
チェック前
チェック後
毎日続けることで正しい姿勢を維持する筋トレになる
横からのチェックと前からのチェックは、慣れてきたら一緒に行っても大丈夫です。歩きに出かける前にこれを行うことで、正しい姿勢を身体にインプットして下さい。そして一番大事なのはそれからです。ウォーキング中に思い出したら、目線や腹筋の使い方、つま先の向きなど、一つ一つの注意点を思い出しながら、チェックした時の感覚を再現するように努力しましょう。
全部やろうとすると頭が混乱してしまうので、やりやすいものからで大丈夫です。今まで使っていなかったところは、柔軟性がなかったり、神経伝達が悪かったりして、うまく動かせないかもしれませんが、毎日少しずつ行うことで徐々に動かせるようになるので安心して下さい。
たまに「最初は意識していても歩いているとすぐ忘れちゃう」とおっしゃる方もいますが、みんな同じなので大丈夫です。大事なのは思い出したら再現することです。1歩1歩全てで集中することは無理なので、トータルで1日5分くらい意識して歩くことができれば、徐々に歩き方が変わってきます。
やる気のある方は、朝晩などウォーキングに行かない時でも、機会を作って姿勢チェックを行うとより効果は高まります。正しい姿勢を保つ筋トレにもなるので、運動不足だから何とかしたいけど、何を始めていいか分からない人にはおすすめです。
歩き方が崩れる根本的な原因は?
ところで、高齢のクライアント様などが「街を歩いていてガラスに写った自分の歩き姿にガッカリした」とおっしゃることがよくあります。年齢とともに私たちの歩き方が崩れていく根本原因は何なのでしょうか?
それを考えるのには土踏まずの構造を理解することが大切です。土踏まずは3つのアーチが足の接地時の衝撃を吸収して、推進力に変える役割をしています。ところがこの土踏まずは加齢や合わない靴、間違った靴の履き方などによって弱ってしまい、年齢とともに徐々に体重を支えられなくなっていきます。こうして起こる土踏まずのゆがみが足首のゆがみになり、ひざのゆがみになり……と全身の姿勢の崩れの原因になっていきます。
試しに足の裏の接地部分の感覚に集中して、姿勢チェックを行ってみて下さい。多くの人が足の裏の接地面積が少なくなるのを感じると思います。この接地のしかたが実は歩く時に使いたい足の裏の部分になります。ですから、ウォーキング中には足の接地のしかたに気を配ってみるとより効果的です。
意外と難しい足の接地の意識
姿勢チェックを毎日少しずつ行うことで、姿勢が整い、体重を支えられなくなってゆがんだ土踏まずを引き上げる筋肉をつけることはできますが、実は元に戻ることはありません。構造が崩れる過程で伸びてしまった靭帯は元に戻らないからです。
それなので、土踏まずのゆがみについては道具を使って矯正していくしかありません。そこで私たちフットマスターでは、土踏まずを支えるアーチサポート機能に優れたオーダーメイド矯正インソールを作製しています。お一人お一人の土踏まず形を、手作業で本来の状態に再現しながら石膏で足型を採るため、この型から作り出されたインソールを履くだけで、あなたの本来の土踏まずの形に矯正されます。
このインソールを足の下に入れて姿勢チェックをすると、チェックポイントを壁に付けたり、ひざとひざを近づけたりするのが驚くほど楽になるのを感じてもらえます。サンプルでも高い再現性がありますので、ぜひオーダーメイド矯正インソールにご興味のある方は、全国のフットマスターにご相談下さい。
まとめ~ウォーキング前に姿勢チェックをして姿勢の崩れを予防~
いかがでしょうか?
今回はウォーキング前に簡単にできる姿勢チェックについてお伝えしました。
横から、前からさまざまなチェックポイントがあり、全てを網羅するのは最初は大変かもしれません。でも大事なのは毎日繰り返し、身体にそれぞれの身体の部分の正しい位置を覚えこませることです。そして、気が付いたら実践をしていきましょう。
ついつい忘れてしまって姿勢が崩れるのは誰でも同じです。気が付いたら実践するていどで大丈夫です。その繰り返しが、足をきれいに動かし、ウォーキングをしすぎたとしても体の負担にならない筋肉バランスを実現します。
ぜひ季節柄の良いこの時期に、ウォーキングをスタートさせたい人は簡単チェックを試してみて下さい。
インソールなし
インソールあり
<過去の記事>
ご存知でしたか?「親指で地面を蹴ること」が理想のウォーキングフォームと思われがちですが、実は親指や母指球ではなく小指側を使って歩く方が身体の構造の利にかなっているのです。更につま先・膝・股関節の向きも整えて、身体に優しくなる歩き方を解説していきます。
せっかく歩くなら ウォーキングをするなら 足と身体に優しい歩き方をしませんか?フットマスターは、正しい歩き方はもちろん、正しい立ち方や靴選びについてもお伝えしています。
「ウォーキングフォーム」というと、どうしても手足の動きに注目しがちですね。しかし、実は手足の動きをキレイに見せるには、体幹がしっかりと軸を作れなければいけません。体幹の位置が決まることで、手足が力むことなく負担のないキレイな自然の動きができるのです。
歩く時「親指」で地面を蹴って歩いていませんか?実はその歩き方、外反母趾や巻き爪の原因になりかねません。正しい足の使い方、歩き方は、フットマスターにお任せください。
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近年、偏平足や外反母趾などの足の変形や、腰痛や膝の痛みなどの改善に、土踏まずのアーチが注目されてきました。体の土台となり地面と接している土踏まずが歪むと、全身に歪みが伝わって姿勢が悪くなってしまうからです。
このように全身の歪みに関わる土踏まずの健康を保つため、役割を知っておいて普段から気を付けたいのが「後脛骨筋(こうけいこつきん)」です。
今回は後脛骨筋について解説していきます。
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□当院のブログでも、足・靴・インソール・歩き方にまつわる記事を掲載しています。