皆さん、こんにちは!
埼玉県越谷市のフットマスター整体院「流カイロプラクティック院」の流岳史(ながれたけし)です。
前回は、親指や母指球ではなく小指側を使って歩くウォーキングフォームについて、「小指球を使った自然体の足に優しい歩き方」と題して寄稿しましたが、大変評判が良かったとのことで、今回は小指球を使った歩き方を応用して、つま先・膝・股関節の向きも整えて、更に身体に優しくなる歩き方を解説していきます。
小指球を使うとつま先が真っ直ぐ前を向く
まずは前回の記事「小指球を使った自然体の足に優しい歩き方」の復習です。
要点をまとめると、ウォーキングフォームについて世間一般では「親指で地面を蹴る」とか「母指球を使う」言われることが多いですが、実は小指側の小指球を使うことに意識を置いた方が、足の指5本がしっかりと機能し、無駄な力が入ることなく自然体で歩けるという内容でした。
このように意識した歩き方を実践すると、何が変わるかというとつま先を安定してまっすぐ前に向けて歩けるようになります。町ゆく人の歩き方を見ていて、わざとやっているのかと思うほどの内またの人やがに股の人が気になったことはありませんか?
実はほとんどの人が恐らく無意識でそのような歩き方になっており、自分では気付いていません。私たちフットマスターは歩き方の指導をする時に、よくクライアント様の歩き方の動画撮影をするのですが、自分の歩き方を見て愕然とされる方が意外と多いです。「歩く」という行為はそれぐらい当たり前であり、毎日の積み重ねなので、自分ではキレイには歩けていなくとも悪い歩き方にはなっていないという自覚の方こそ、知らないうちに自分のクセが身体にしみついている可能性があります。
だからこそ、日々、気付いたら小指球を使って歩くように意識して、つま先が安定して前を向けて歩けるように体に身につけると、無意識でも内またやがに股になりにくくなります。
具体的につま先のどこが前に向くと良いかというと、中指と薬指の間になります。踵の頂点とここを結んだ線が、進行方向と平行になるように意識するとより足首が構造に理にかなう形で動かせます。分かりにくかったら薬指を意識すると良いでしょう。
この歩き方を実践すると、若干内またになるのが分かるでしょうか?諸説ありますが、中立の位置より少し内またの方が、無駄な力が抜けて足首の可動域が広がります。試しに極端ながに股歩きと、内また歩きをしてみて、足首の動きに集中してもらうと分かると思いますが、がに股は親指に力が入って足首が硬直するのに対して、内または小指に力が入ることもなく足首を動かせます。したがって、極端な内またでは足を痛めてしまうので、小指球を意識して若干の内またくらいで足首を脱力して歩くと、関節に負担なくつま先をまっすぐ前に向けて歩くことができるのです。
膝の向きをつま先に合わせて股関節も整える
ここまで小指球を使ってつま先の向きを整える歩き方をご説明してきましたが、ウォーキングフォームの意識が高い人には、つま先の向きを意識されている方も多いかもしれません。しかし意外と気付かないのが膝の向きです。ここからは膝の向きについてお話していきます。
歩きながら膝の向きを確認するのは難しいので、立った状態で膝の向きを確認していきましょう。鏡の前に立ってもらい、先述のように中指と薬指の間と踵の頂点を繋いだ線が、まっすぐ目線と平行になるように揃えて立ってもらいます。その状態で膝の骨の向きをチェックすると、膝の骨は真正面を向いているでしょうか?
多くの人が内側を向いたり、外側を向いたりしていると思います。いくらつま先の方向を意識して歩いても、これではいずれ膝を痛めてしまいます。体に優しい歩き方をするにはつま先と膝を同じ方向に向かせなくてはいけません。
膝が内向きの人は内ももの後ろ側、外向きの人は内ももの前側の筋肉を意識して太ももを捻じって膝を真正面に向けて、最後に両膝の内側をできるだけ近づけるように力を入れて下さい。太ももを捻じるということは股関節も動くので、このようにすると股関節も整ってきます。したがって自然と股関節・膝・つま先が同じ方向を向いた状態になってきます。
多分、初めてやる人は意外とキツイかもしれません。でも足の形が真っ直ぐになって、太ももやふくらはぎがスッキリ細くなっているように見えませんか?O脚やX脚はもちろん、「足の形が変」とか「体重が減っても足が痩せない」という人は、股関節・膝・つま先がそれぞれ違った方向を向いていることが原因になることがあります。そのような方は、このように膝の向きを整える時にうまく動かせない力のない筋肉がウィークポイントになっているので、1日1分でもいいので、鏡の前でつま先と膝の向きを整えるように訓練することは、弱い筋肉のトレーニングになり、無意識でもつま先と膝をまっすぐに前を向けることを体に教えこむことができます。
このような股関節・膝・つま先の位置関係をキープして歩くことが、それぞれの関節にとっても負担のない体に優しい歩き方であるとともに、足がまっすぐに動くキレイな歩き方でもあります。膝がまっすぐ前を向いた感覚を身に付け、これをキープする筋肉を強化できるまでは、立った状態を歩く動作に反映していくのはなかなか難しいと思いますが、日々続けていくと無意識でも足の動きが歪みにくくなるので、地道に訓練してみて下さい。
膝が内向き
膝が外向き
膝が正面向き
股関節・膝・つま先を整える最強の補助ツール
さて、ここまで股関節・膝・つま先を揃えて、関節にかかる負担を減らして立ったり歩いたりする方法を解説してきました。今回は応用編ということで、少々小難しく実践するのも難しさを感じたかもしれません。立ち方・歩き方が崩れていくのは、日々の積み重ねであるように、これを元に戻していくのも日々の意識の積み重ねであり、終わりがないことなので、諦めずに焦らず気長に毎日気付いたところから続けていくことが大切です。
しかしなぜ、立ち方や歩き方は徐々に崩れていくのでしょうか?
その答えは土踏まずにあります。土踏まずとは足の裏の文字通り地面に着かない部分のことですが、実は土踏まずは加齢・良くない靴選びや履き方などで形が崩れてしまいます。こうなると、土踏まずは体の土台部分なので、足首が歪んでその連鎖が全身に及んでしまいます。その結果、つま先や膝が知らないうちにまっすぐ前を向かなくなってしまうのです。
試しにもう一度、股関節・膝・つま先を揃える立ち方をしてみて下さい。内ももに力を入れて太ももを捻じって膝を前に向かせると、足の裏の地面の接地部分が変わってきませんか?整えた時に浮いた足の裏の部分が本来の土踏まずであり、整えた時に起こる足の裏の接地部分の変化こそが、土踏まずに歪みが起こっている変化の証拠なのです。
実はこの本来の足の裏の接地部分を意識して歩くことも大切なのですが、体重を土踏まずが支えられなくなって歪みが起こっているので、この部分は意識だけで変えていくのは至難の業になります。そこで私たちフットマスターでは、この部分のサポートツールとしてオーダーメイド矯正インソールをお作りしています。
体重負荷の影響を受けないうつ伏せで、身体のプロが丁寧な手作業で足首・土踏まずを本来の位置で固定して足型を石膏採るので、その足型を元に作るインソールはお一人お一人の理想の土踏まずの形を本来の形に矯正するサポートツールになります。
体重負荷と土踏まずの衰えが原因で、足の接地部分のコントロールは意識をしても難しいのですが、このインソールは靴に入れるだけで、意識しないでも接地部分をコントロールできます。更にこれに先ほどの股関節・膝・つま先を揃えた歩き方や立ち方を実践すると、効果は足し算ではなく掛け算になります。
実際にこのインソールを足の下に入れると、一瞬で股関節・膝・つま先を揃えた立ち方がやりやすくなるのを実感いただけます。
ぜひお近くのフットマスターにご相談下さい。
まとめ~関節に負担をかけずに歩くには股関節・膝・つま先の向きが大事~
いかがでしょうか?
今回は前回の小指球を使った歩き方を応用して、股関節・膝・つま先の向きを揃えた歩き方を解説してきました。
私たちのは土踏まずの衰えと、それに伴う関節の歪み・姿勢の変化を避けて通ることはできません。しかし、日々、少しの時間でもいいので股関節・膝・つま先の向きをチェックして、体の構造に理にかなった状態をキープしていく努力を積むことで、関節の負担をやわらげて痛みのリスクを減らし、自分の足で一生歩き続ける生活を実現することに繋がります。
今回、ご説明した内容は応用編なので、実践をしても難しい部分も多々あるかもしれませんが、日々のちょっとの積み重ねが、将来の大きな変化に繋がります。ぜひもっと知りたい、自分ができているか教えて欲しいという方は、全国のフットマスターにご相談下さい。
<過去の記事>
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