ヒールを買う時に、何をチェックして選びますか?
私たちフットマスターが受ける最も多い相談の一つが、ヒールの高い靴を履くと「痛い」「疲れやすい」というお悩みです。足の専門家としての本音を言えば、足の健康を考えると、ヒールの高い靴を履いて欲しくはありません。ですが、女性の足をキレイに見せたいという希望を無視するわけにはいきません。一方で、ヒールの苦手な人が冠婚葬祭で履いて、「足がパンパンにむくんだ」「膝が痛くなった」という声も聞かれます。
「じゃあ、どうすればいいの?」というあなたに、疲れにくいヒールの簡単な選び方を解説します。
踵と本底の平行性を確認
ヒール選びをする際に、ぜひ確認して欲しいことはとても簡単です。気に入ったデザインの靴が見つかったら、必ず裏返しにして、ヒールのトップとつま先の方の本底が平行かどうか、縦から横から、しっかりとチェックして下さい。
実は、購入前に既にこれが平行でない靴もあるのです。そのような靴を選んでしまうと、靴を履いただけで足が捻じれて足首に負担がかかるので、疲労の原因になるだけでなく、履き続ければ腰痛や膝の痛み、O脚などの原因になりかねません。
展示品で自立しない靴を見たことはありませんか?こういう靴は、製造過程で既に捻じれているか、もしくはソールの素材が柔らかくて、展示されているうちに捻じれてしまった強度の弱い靴です。ですから、ヒールのトップと本底の平行を確認しても、靴を軽く捻じってみてソールが捻じれやすかったら、履いているうちに平行性が保てなくなる可能性が高いので、足の健康のためには避けた方がいいでしょう。
ピンヒールの場合は、踵の接地面積が小さい分、ちょっとした傾きが足に伝わりやすいので、これらの点を慎重にチェックする必要があります。
※画像の靴は完全に平行ではありません。このような状態で履き続けると、足首や膝の関節に余計な負担がかかります。
小まめな踵のゴム交換
購入後の靴の手入れも重要です。特に注意して頂きたいのが、踵のゴムの減りです。足の構造上、踵のゴムは外側から斜めに減っていきます。それなので、購入時に丈夫で踵と本底の平行な靴を選んでも、履いているうちに平行が保たれなくなってしまいます。このような状態でヒールを履き続けると、足首や膝・股関節に負担が蓄積するうえに、靴自体も捻じれてきてしまいます。
踵のゴムは1/3くらい削れてきたら小まめに修理に出して、踵と本底の平行な状態を保つようにしましょう。
たまに、ゴムが無くなってヒールの芯の金具をカツカツと鳴らして歩いている人を見かけますが、ここまでは絶対に履かないで下さい。金具部分が変形してしまうと靴の構造が歪んで、ゴムを交換しても踵と本底の平行性が保てなくなってしまいます。こうなってしまった靴は、履けるように見えても、身体を壊す矯正具でしかありません。
ヒール靴は履いているうちに構造が捻じれてくるものなので、構造がしっかりしているものを選び、構造の変形をいかに防ぐ手入れをしていくかが、ヒールで疲れないための最も重要なポイントとなります。ゴム交換しても、玄関で脱いだ時に真っ直ぐ自立しなくなった靴は諦め時と言えます。
地面と垂直に立たなくなったヒール。このような靴を履き続けると、常に足が外側に倒れるので、疲れやすくなり、将来的には腰痛・膝痛などの原因になりかねません。
まとめ
疲れないヒール選びに重要なのは、踵と本底の平行なものを選ぶことです。これが捻じれていると、足も捻じれを起こして、疲労や痛みの原因になるからです。
売り場に並んでいる新品でも油断をしてはいけません。中には購入前から歪んでいたり、素材が弱くて履き始めるとすぐに捻じれてしまう靴もあります。ソールの素材の固さも確認しておくと、なお安心です。
購入後は小まめに踵のゴム交換をすることで、踵と本底の平行性を長持ちさせられます。
とは言っても、ヒール靴はやはり身体には負担がかかるものです。フットマスターグループでは、難しいと言われるヒール用のオーダメイド矯正インソールをお作りしています。ヒールを履いている時の疲れや痛みなどのお悩みは、私たちフットマスターにご相談下さい。
賢くヒールを選んで、足元のお洒落と健康を両立させましょう。
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