ウォーキングフォームを考える時、親指で地面を強く蹴りましょうと一般的にはよく言われています。
力強く地面を蹴ることでスピードが出て、適度な筋肉の疲労感を得られるため、「筋肉を使った!」という充実感が得られるからだと思います。
筋トレやカロリー消費のための「運動」としてのウォーキングフォームとしては、親指に力を入れる歩き方は良いと思います。
しかし、健康でいつまでも長く自分の足で歩くことを考えると、実は親指に頑張って力を入れないウォーキングフォームの方が体にとっては自然体の歩き方になります。
今回は、親指で頑張らない歩き方について解説していきます。
自然体とは?
スポーツの世界ではよく「力を抜け」「力むな」と声を掛けられ、自然体が好ましいとされます。つまり身体能力を発揮するには自然体であることが大切だと、私たちは本能的に理解しているのです。
これに対して、意識的に親指で地面を蹴って歩くことは、自然体とは逆のことをしていることになります。
それなので冒頭で触れたように、身体に負荷をかけた「運動」として意識する分には問題ありませんが、無意識で歩く普段のウォーキングフォームに親指に力を入れる癖がついてしまうことは気をつけなければなりません。
足の指の力みは全身の力み!?
なぜ親指に力を入れてはいけないか体感できる方法があります。
直立した状態で踵に重心を置いて、足指に力が入っていないことを確認してから、大きく深呼吸をしてみて下さい。空気がたくさんお腹に入っているのを感じられます。
ところが、少し重心を前にずらして足指に力が入った状態で深呼吸すると、空気が途中で入りづらくなります。
これは足指に力が入ったことで、肺の周りの筋肉まで連鎖的に緊張してしまい、肺が膨らみにくくなってしまっているからです。
私たちは1回の呼吸で約500mlの空気を入れ替え、1日に約2万9000回の呼吸をしていると言われています。吸い込んだ酸素は、細胞を活性化させ、免疫を高めるのを助けてくれます。
しかし、足指に力が入る癖がついてしまうと、吸い込む酸素の量が減ってしまうので、すぐには影響なくとも、長期的に見ると疲れやすい身体や病気になりやすい身体の原因になってしまうのです。
かかと重心で指に力が入っていない状態
前のめり重心で足指に力が入った状態
自然体で歩くポイントは薬指
それでは自然体で歩く時には、足の指はどうすればいいのでしょうか?
そのヒントは足の構造にあります。
私たちの多くは「足の中心線」というと、踵から中指の先を結んだ線と考えます。
しかし実は、中指と薬指の間と踵を結んだ線が足の中心線になります。
この線が進行方向と平行になるように歩くと、足首をまっすぐに使えるようになります。少し内また気味で薬指の先が、最後まで地面に触れている感覚があるくらいがちょうどいいでしょう。
このように足を使うと、親指で蹴っているようには見えますが、力みなく5本の指に均等に伸ばすことができるので、地面を指が離れた時に伸ばされた足指の裏の筋肉が反発的に縮むので、力を入れないでも楽に地面を後ろへ蹴り出すことができるのです。
薬指を意識すると土踏まずが潰れない
少々言葉で説明すると複雑になってしまいますが、単純に言えば、足が着地してからの重心移動が、踵をついてから薬指に抜けていくようなイメージなります。
このような足の使い方をすると、もう一つの利点として土踏まずのアーチ構造の利にかなった体重のかけ方ができることです。
アーチ構造は上からの重みを効率良く分散させることができるので、重みに耐えなければいけない橋やトンネルなどの工法としても用いられています。
土踏まずも同じように体重を効率良く支えるためのアーチ構造をしています。
しかし、不自然に親指にばかり力を入れてしまうと、このアーチ構造を潰すように足を使ってしまうので、土踏まずのアーチが歪んで体重負荷を分散できず、膝・股関節・腰などに疲労を溜める原因になってしまいます。
それなので、足指に力を入れずに踵から薬指に重心が抜けるように歩くことは、将来の関節痛のリスクを防ぐ歩き方ともいえます。
ちょっとずつ無意識の歩き方を変えていく
慣れない足の使い方なので、いつも実践するのは難しいという声が聞こえてきそうですね。
でも大丈夫です。
毎日300歩でいいので、気が付いた時に実践してみて下さい。
毎日、気付いた時に踵から薬指に重心が抜ける歩き方を実践することで、筋肉のバランスが自然と整っていきます。これを日々繰り返すことで、誰でも無意識に足指を力ませずに歩くことができるようになります。
また、この動きを身体に定着させるには、オーダーメイド矯正インソールも有効です。
オーダーメイド矯正インソールは、おひとりおひとりの足の形に合わせて型を作り、靴に入れるだけで土踏まずのアーチが理想の状態に矯正される効果があります。
それなので、無意識の状態でも足がまっすぐ使えるように動きが補正され、足指を力ませずに薬指に重心移動する歩き方が自然と身に付きやすくなります。
ウォーキング×インソールの相乗効果
このように私たちフットマスターは、新保式ボールウォーキングの指導を通じて自然体の歩き方をお伝えし、オーダーメイド矯正インソールと相乗効果を生み出し、いつまでも自分の足で歩けるための情報をお届けしています。
足・靴・歩き方のことで困ったら、全国のフットマスターにご相談下さい。
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