近年、偏平足や外反母趾などの足の変形や、腰痛や膝の痛みなどの改善に、土踏まずのアーチが注目されてきました。体の土台となり地面と接している土踏まずが歪むと、全身に歪みが伝わって姿勢が悪くなってしまうからです。
このように全身の歪みに関わる土踏まずの健康を保つため、役割を知っておいて普段から気を付けたいのが「後脛骨筋(こうけいこつきん)」です。
今回は後脛骨筋について解説していきます。
後脛骨筋の場所と役割
後脛骨筋は腓骨と脛骨の後ろ側から始まり、うちくるぶしの下を通って足の内側にある舟状骨(しゅうじょうこつ)に付いています。更に一部は足の裏にある足根骨と中足骨基部まで伸びています。
後脛骨筋の大切な役割は、舟状骨を上方に引っ張り上げることです。この作用によって土踏まずが地面から持ち上げられます。つまり、美しい姿勢や関節の痛みを防ぐのに、重要な土踏まずのアーチを作っている筋肉が後脛骨筋なのです。
歩く時にこのアーチがバネのように動くので、推進力を生みだしたり衝撃が吸収されます。
偏平足だと後脛骨筋のアーチを引っ張り上げる力が重力に負けてしまい、足の形が崩れてしまいます。こうなると後脛骨筋は一日中伸ばされてしまうので、足の内側に炎症が起こったり、ふくらはぎの筋肉が疲れて夜に寝ている時につりやすくなります。
その他、肥満の方や、高齢の女性、ランニングやハイキング、登山などをされている人は、後脛骨筋に溜まった疲労から痛みが足の内側に痛みが出やすい傾向があります。
後脛骨筋が関わる足の疾患
後脛骨筋に負担が溜まると、スネの内側やうちくるぶしの周りに痛みが出やすくなります。ここでは代表的な疾患を2つご紹介します。
シンスプリント
脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん)ともいいます。
土踏まずのアーチは運動時の衝撃を吸収する働きがありますが、反復して行っていると後脛骨筋が繰り返し伸び縮みするので、付着する脛骨や腓骨の表面の骨膜が引っ張られて炎症を引き起こします。
特に中学生から高校生は骨に柔軟性があるので注意が必要です。
有痛性外脛骨(外脛骨障害)
外脛骨は後脛骨筋が付着する舟状骨の隣にできることのある「過剰骨」と呼ばれる余分な骨で、約15%の人に発生します。
舟状骨は、10代後半まで二つの骨に分かれています。
成長期を終えると癒合してひとつの骨になるのですが、偏平足や回内足だったり、激しい運動をしていたりすると、後脛骨筋の引っ張りる力が強すぎて癒合しないことがあります。これが外脛骨の発生する要因と言われています。
基本的に痛みがなければ問題ありません。しかし、運動による牽引力がかかったり、ぶつけて外力がかかったりすると炎症が起こって痛くなることがあります。
後脛骨筋の負担を和らげるオーダーメイド矯正インソール
このように後脛骨筋は土踏まずのアーチを引き上げることで、歩いたり走ったりする時の衝撃を緩和して、さまざまな痛みが起こらないように働いているので、普段からケアをすることで腰痛やひざ痛などのリスクを下げることも期待できます。
そこでおススメなのは「アーチサポート」の機能が優れたインソールを使用することです。アーチサポートはその名の通り、土踏まずのアーチを下から支える機能のことを言います。後脛骨筋に負担が溜まってアーチが保てなくなると、土踏まずが沈みやすくなってくるのでインソールで下から支えてあげるのです。
私たちフットマスターがお作りしているオーダーメイド矯正インソールは、その点で最も優れたツールの一つになります。
特徴的なのはインソールをオーダーメイドするのに、体重のかからないうつ伏せ状態で、体に熟知したフットマスターが足首がまっすぐになるように、丁寧な手作業で足型を採るところにあります。こうすることで、できあがったインソールを履くだけで、アーチの形は理想の状態に矯正されるので、後脛骨筋に負担が大幅に軽減されます。
立った時に足に体重がかかると、舟状骨の地面からの高さは通常でも1cm前後低くなります。偏平足の人など、アーチが弱い人はこの値がもっと大きくなります。この状態で足型を採っても、本来のの足の形に戻すインソールを作ることができません。
それなので私たちは時間と手間はかかりますが、うつ伏せで手作業になる足の石膏採型にこだわってオーダーメイド矯正インソールをお作りしています。
まとめ~後脛骨筋の負担を減らして足裏アーチの崩れを防ぎましょう
今回は、足裏アーチを保つのに大切な後脛骨筋についてまとめてみました。
後脛骨筋は足裏アーチを保つのに大切な筋肉です。この筋肉に負担が溜まりすぎると、シンスプリントや有痛性外脛骨などさまざまな痛みの原因になります。特に偏平足で激しいスポーツをしていたり、高齢であったりすると、思わぬ痛みにつながります。
そうした事態を防ぐには、アーチサポートの優れたインソールがおススメです。私たちフットマスターは、オーダーメイドでお一人お一人の形に合わせたインソールをお作りしているだけでなく、靴選びや靴の履き方、新保式ボールウォーキングの指導などを通じて、足の環境をトータルで評価して改善していく活動をしています。
後脛骨筋ケアでお困りでしたら、全国のフットマスターにご相談下さい。
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