毎年冬になると気になる、かかとの荒れ。
「クリームを塗っても、すぐにガサガサになってしまう」とお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
それもそのはず。
かかとの荒れは、冬の乾燥が原因と思われがちですが、歩き方や靴選びにも原因があるからなんです。
間違った歩き方で足の重心が偏る
足は、かかと・親指の付け根・小指の付け根の3点が支点となって足の裏の全体に圧力が分散してかかります。
ところが、立っている時の姿勢のバランスが良くないと足の裏の一部分に圧力が偏り、歩く時にそこに刺激が加わりやすくなります。
同じ部分に刺激が重なると、体を守ろうとする働きで角質層が厚くなってきます。
かかとの荒れは、姿勢のバランスが崩れて、足の重心が偏っている表れかもしれません。
間違った歩き方で皮膚の新陳代謝が鈍る
足の役割には、立ったり歩いたりするだけでなく、新陳代謝を促すという働きがあります。
歩く時にふくらはぎの筋肉が収縮することで、足の血流を心臓の方へ押し戻しているのです。
ところが、歩き方が間違っていると、この働きがうまくいきません。
そうすると、新陳代謝が鈍くなって、新しい皮膚への生まれ変わりが遅くなり、古い角質が剥がれ落ちにくくなります。
こうして角質が厚くなり、かかとが荒れてしまいます。
靴底の薄いパンプスやサンダルでもかかとが固くなる
歩く時はかかとから着地するため、かかとはいつも地面から衝撃を受けます。
現代の生活環境は、アスファルトの道路や鉄筋コンクリートの建物などの固いところを歩くことが多く、足は強い衝撃を受けています。
そのときに、パンプスやサンダル、フラットシューズのような底の薄い靴を履いていると、体を守ろうとする働きで足の皮膚の角質が厚くなります。
だから、外を歩くときはもちろん、職場での履き物も、足を衝撃から守ることのできる弾力のある靴底のものがおすすめ。
そうすると、かかとにかかる衝撃を和らげ、角質が厚くなるのを防ぎます。
正しい歩き方と弾力のある靴底で、かかとの荒れを解決する
かかとの荒れは、クリームを塗るといった日常のケアだけでは解決しません。
足裏の重心を整え、新陳代謝を高められるよう、歩き方を変えることが必要です。
正しい歩き方の第一歩は、足裏に均等に重心がかかる位置「バランスポイント」を覚えること。
文章よりも動画が分かりやすいと思いますので、詳しくはこちらをご覧ください。
そして、履き物は、靴底が衝撃を吸収できる適度な厚さと弾力でありながら、足の指の関節の部分で曲がる靴を選びます。
このとき、靴にオーダーメイドのインソール(中敷き)を入れていただくと、足裏のバランスが整い、正しい歩き方をしやすくなります。
歩き方、履き物の選び方、インソールについては、全国のフットマスターにお気軽にご相談ください。
参考文献
『「ガサガサかかと」が危ない!足の手入れが健康寿命を延ばす』高山かおる著 家の光協会
『正しく歩けば不調が消える!1日300歩ウォーキング』新保泰秀著 日本文芸社
みやざき足育センター
代表 成田あす香
http://ashiiku-miya.com/